土門 拳賞受賞記念 鬼海 弘雄 写真展 「PERSONA」

2005年1月8日(土)〜1月23日(日) AM11:00〜PM7:00
<1/16はスライド&トーク開催のため13:00〜16:30まで close になります>

○鬼海弘雄スライド&トーク「写真を撮る・人と出会うこと」
1月16日(日) 14:00〜16:00 参加費 \1000

<要予約 tel042-341-8546 松明堂ギャラリー>

 


 鬼海弘雄さんは1945年山形県寒河江市生まれ。高校卒業後、山形県の職員を1年間勤めた後、法政大学哲学科に入学、そこで福田定良氏に出会い大きな影響を受けます。ダイアン・アーバスの写真を見たのも大学時代。衝撃を受けカメラマンを志すようになります。卒業後、トラック運転手、職工、マグロ漁船船員など様々な職を経て、フリーのカメラマンに。以降「インド」「東京の光景」「浅草の肖像」という3本のテーマを柱に写真を撮り続けています。

 今回土門拳賞を受賞された「PERSONA」は浅草で出会う人々のポートレイトを30年近くに渡って撮り続けた集大成になります。浅草を歩き回り、これぞと思う人に声をかけ、浅草寺の朱塗りの壁に立ってもらい、いろいろな話をしながら、シャッターチャンスをねらい、パチリとその人を捕らえる。「PERSONA」には、主に1998から2003に出会った166人の肖像写真が1行のキャプションとともに紹介されています。

 その中にいる人々は市井に生きる普通の人たち。でも一見してどこかおかしい。良く見ると異常にすら見えてくる。かつては最先端の盛り場だった浅草、今は色褪せ、でも不思議な名残がたっぷり在る町。ここに集う人々は何処か特別らしい。「日にちを間違え、花火大会だと思って来てしまった男」「仕事が終わると、いつも着物だというトラック運転手」「二十八年間、人形を育てているというひと」「体を鍛えた美容師」「仲の良すぎるカップル」同じ背景に、同じ距離をとって、モノクロで納められた人たち。奇妙な服装をして危険な匂いすらしている。でもどの人もそれぞれにすごい存在感を持ち、威厳を持っている。ちょっとしたしぐさを捕らえた一瞬で、その人らしさが露呈され、普通だけれどどこかとても違う、鬼海ワールドの人々。その人たちに向ける鬼海氏のまなざしは暖かい。どこかに居そうな、どこかで会ったことがあるような懐かしさを感じる。鬼海ワールドの住人になりたいような・・・福田定良氏は写真集「王たちの肖像」に「彼が見た他人は自分自身、あるいは自分自身の他者なのだ」と書いている。常識と思われる世界に安住して、普通という鎧を着込み、幅狭く生きている現代人にとって、鬼海ワールドの住人との出会いは、大いに勇気づけられ、ここまでやっていいんだと気持ちがふくらみ、日常の日々が楽しくなるに違いない。

 松明堂ギャラリーでは1998年に「インド紀行」で鬼海さんをお迎えしています。今回は「PERSONA」に収録された写真の中から約40点を選び、展示する予定です。この中には、写真展での発表は初めてになる作品も20点近く入る予定です。また写真展会場内にて鬼海さんによるスライド&トークを開催します。浅草での出会い、写真についてなど盛り沢山にお話いただく予定です。是非多くの人に聞いていただきたいと思っています。


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        鬼海 弘雄  Kikai Hiroh プロフィール
1945年  3月18日生 山形県出身
1963   山形県職員になる
1969   法政大学文学部哲学学科を卒業
       トラック運転手、職工、マグロ船船員、暗室マン等々を経てフリーランスカメラマン
1974   APA(日本広告写真家協会)展特選受賞
1988   日本写真家協会新人賞受賞。伊奈信男賞を受賞
1993   「写真の会」賞を受賞
1994〜  武蔵野美術大学映像科講師
2004   土門拳賞受賞
主な展覧会
個展
1983 「凪・・町中の光景」  東京
1984 「インド紀行」    東京・山形
1988 「王たちの肖像」   東京・大阪・京都他巡回
1989 「王たちの肖像」   東京・大阪・京都他巡回
1990 「観照・・町のかたち」    同上
1993 「ECCE HOMO」    サンフランシスコ(U.S.A)
1998 「インド紀行」     松明堂ギャラリー
1999 「PSRSONA(1)」  ポーランド・クラクフ
2002 「PERSONA(2)」  ポーランド・クラクフ
2004 「PERSONA」     東京・大阪・他巡回 土門拳美術館(山形) 
2005 「PERSONA」     松明堂ギャラリー
グループ展
1988 「日本の現代写真展」       アリゾナ(U.S.A)
1990 「ニュー・ドキュメンツ 1990」  富山県近代美術館
1995 「写真都市TOKYO」        東京都写真美術館
1997 「写真は何を語れるか」         同上
主な著書
1987 「王たちの肖像」(矢立出版)
1992 「INDIA」(みすず書房)
1996 「や・ちまた ー 王たちの回廊」(みすず書房)
1999 「東京迷路」(小学館)
2001 「しあわせ」(福音館書店)
2003 「PERSONA」(草思社)
主な受賞
1988 日本写真協会賞新人賞   伊奈信男賞
1993 写真の会賞
2002 さがみはら写真賞
2004 土門拳賞
コレクション
東京都写真美術館  アリゾナ州立大学  他